中止を求める理由


このメガソーラー建設のためには、広い範囲で樹木を伐採しなければなりません。樹木の伐採は伊豆高原の美しい景観を台無しにしてしまいます。伊東市の基幹産業である観光業にとって、景観は重要な観光資源であり、それが損なわれることは死活問題と言えるでしょう。

 

以下の完成予想写真は事業者からの写真資料が提供されないために、当会関係者が業者提供の地図を基に類推し作成したもの。事業者からの写真が提供され次第すぐに更新していく予定

大分県杵築市は伊東市のメガソーラーとほぼ同じ規模の10万枚のパネルを斜面に敷き詰めました(事業者はハンファソーラーパワー杵築)。

傾斜地の山林に、環境に配慮した成功例として紹介されていますが、同様のものがこの伊東市の大室山周辺にできることを想像してみてください。大室山に登った観光客がその景色を見て、「またここに来てこの景色を見てみたい」と思うでしょうか?

景観が変わるという、すぐに目に見える影響だけではありません。
斜面にある樹木を伐採することによって、森林の保水力が低下し、洪水や土砂流失の危険が高まります。事業者は調整池や砂防池を設けて土砂流出を防止すると説明しています。下の写真は杵築市のメガソーラーの沈砂池の写真です。

しかし実際には大雨が降れば計画書面上では問題がなかった筈の事態が生じてきます。左の写真は茨城県石岡市の被害の実例です。関係諸機関の認可を得た工事ですから、計画書面上では大雨対策も十分だった筈ですが…。

八幡野に建設予定のメガソーラー事業地に降った雨は、八幡野川に流す予定になっていますが、この川は、現在でも大雨が降ると濁流になり、護岸工事をした蛇籠も流されるほどの水量になります。

 

 

建設予定地の近くには既に建設許可を得た小さな太陽光発電所の工事が始まっていますが、大雨の後には土砂が流出し、近くの田んぼに流れ込みます。

土砂災害とまではならなくても、雨が降れば流れてくる泥水が川の水を汚すことは十分考えられます。左は高知市のメガソーラー造成地から流れ出た赤土で濁った川の写真です(高知市土佐山弘瀬=鏡川漁協提供)。

川が汚れれば、海も汚れます。左は高知県土佐清水市の山を削ったために泥水が流れ込んだ海の様子です。

森は海の恋人といわれるように、山も森も川も海も、水と大地によってつながっています。森に棲む生物から生息地を奪うばかりでなく、森林の伐採で水産資源に影響を与えるでしょう。

ここ城ヶ崎海岸、八幡野の海はその透明度の高さから沖縄と並び称されるダイビングのスポットです。この美しい八幡野の海が汚されたならば、ダイバーや漁業関係者に多大な影響を与えることになるでしょう。

除草剤をまけば、土壌が劣化し、海が汚染され、生態系に打撃を与えるでしょう。事業者である伊豆メガソーラーパーク合同会社によれば、除草剤はまかずに手作業で草刈りをすると言っていますが、その約束が守られる保証はありません。

台風や突風、大雨、地震による太陽光パネルの被災の心配もあります。これまで北海道の帯広市釧路市、茨城県常総市、群馬県伊勢崎市、福岡県、宮崎県川南町、熊本県益城町などにおける例が知られています。

 

太陽光パネルが災害時に破損した場合、パネルを感電防止策を取らずに放置したり、基準値を超えるセレンが検出された例や、有害物質の有無を確認しないまま埋め立てたりしている例もあるようです

総務省は将来、事業者が倒産した場合に、適切に保守や撤去がなされず、放置されてしまう太陽光発電所の増加の恐れも指摘しています※1)。
 

パネルの輻射熱によって周囲の気温が上昇し、生態系を狂わす心配もありますし、周囲の住環境が悪化し、訴訟になった場合もあります。

もちろんメガソーラー全てが悪いという訳ではありません。宝塚市の「非営利型株式会社 宝塚すみれ発電」や、小田原市の「太陽光発電屋根貸し事業」のように、行政や住民や事業者が協力しあって市民発電所のようなものを作り上げるという幸せな取り組みも出てきました。

白紙に戻して新しい街作りを!

しかし地域住民の意思に反し、伊東の豊かな自然を破壊するこのメガソーラー建設に関してはそのまま認めるわけにはいきません。私達はこの計画は一旦、白紙に戻し、この地の美しい自然を守りつつ、新しい街作りをしていくにはどうしたら良いかを、皆さんと一緒に考えていきたいと思っています。


※1 このような事態を受けて、総務省では2017年9月8日、使用済太陽光パネルの廃棄処分等の実施状況を調査し、必要な改善措置について勧告しました。